Web2.0は何がどう2.0なのか(某映像デザイン論傍聴日記)

日経産業新聞やIT関連のリリースに、「Web2.0」「Ajax」「オープンソース」などのキーワードばかりが、耳障りなほど(目障りなほど?)載るようになってからしばらく経つ。きっと新聞記者もイマイチよくわからないまま、リリースを右から左へ記事にして「業界初」だの「新機軸」だのと付け足して掲載しているのだろうと思っていた。
さて先日、ばりばりの第一世代Webのページ制作をした期間があった。その後、つい最近のバージョンのXOOPSを触った時、「あ、このことか」と気づいたことがあったのだ。それは、「エンジニアの目から見れば『これまでの技術の単なる寄せ集めやんけ、何も新しいことあれへんわ』というツールでも、『非エンジニアだけど発信したい物を持っていた人』の目から見れば、HTMLソースが徹底的に隠蔽され、ほとんどの手順がWebブラウザFTPツールで済んでしまうXOOPSWikiなどのツールは、『めちゃめちゃ画期的』なことなのだ」ということ。
オープンソースもスモールランゲージも、blogだってWikiだって20世紀の昔(笑)からあった。ただそれらは一部のエンジニア(ハッカー?)のものでしかなかったようだ。ICTの裾野が拡がるにつけ、「わがままなユーザー」向けに(これまたバザール方式で)改良されたユーザーインタフェースに、これまでゲームにハマっていた層あたりが、飛びついて、ブームになったようだ。


また、所謂大当たりした新サービス(2ちゃんねる、各種blogサイト、GreemixiはてなYouTube、etc…)は、「最初はあまり深く考えずにスタートした」のではないだろうか。自分がほしいもの(サービス)を作って、公開してたら、サーバが追いつかないほど人気が出てきたので、あわてて増強・拡張を重ねているんじゃないかと。つまり、「漠然とした夢」ぐらいはあったかもしれないが、最初から「スケーラビリティを考慮した全体設計図」なんてなかったんじゃないか。ましてや、「マーケティングリサーチ」や「完璧なトータルプロジェクトマネージメント」の産物ではなかっただろう。
サービスを「とりあえず」動かしながら次の形を動的に考えることこそが、Web2.0的な動き方なのだろう。
きっと。


1993年。DEC社内で「World Wide Web」「Mosaic」というものが(社内ネット上で)紹介されて、「これはすごい!面白い!!」と社内ネットの掲示板で話題になったときのことを思い起こしている。とにかくそのへんのワークステーションに、社内の「えらい人」が作ったVMS版Mosaicをインストールして、重たいトラフィックにもめげずに、「ハイパーリンク」というものを体験した。社内と社外がつながって、NTTの実験サーバにもアクセスした。ほどなく国内のブランチでもサーバが立って、「荻窪らーめんマップ」だの「今日のランチメニュー」だのを、いわゆるミッドナイトプロジェクトで作って、社内公開する人たちが現れた。その時の熱狂。
大先輩 よ(id:hyoshiok) さんは、ミラクルブログでこんなふうに振り返ってはる…さすがにまとまっていますね。(^^)

そのころペーペーだったワタシが、今や「すっかり乗り遅れて昔話をぼやくおばちゃん」に。
かなりヤバい。