赤いランドセル

先日、運転免許の更新に行った。長年無事故無検挙だったのに、一昨年末と昨年に「軽微な違反」を合計2つ挙げられてしまった(深夜の赤点滅で一時停止しなかったのと、シートベルト)ので、「違反者講習(2時間)」を受けた。ビデオ2本と講義。
1本目のビデオは「プロに学ぶ危険回避〜片山右京の運転力!」。全般的な安全運転に関する内容だが、ナビゲータの片山右京が運転しながらする説明が、比較的わかりやすく「見ようという気がおこりやすい雰囲気」にできていた。次に、講師の「錯誤(錯視・錯覚)」についての話や、県内の交通事故に関すること(「新年早々、事故の話ばかりするのは、本当はイヤなので、簡単に済ませます」といってほんとうに簡単に済ませた)、法改正についての詳しい説明。で、最後にビデオをもう1本。
タイトルは「『赤いランドセル』〜もう運転中に携帯電話をかけないで〜 」
ストーリーは、ある警察官の回想として語られる。舞台は救急病院。小学生の女の子が交通事故に逢い、ほとんど手のほどこしようがないまま死亡。駆けつけた両親は、処置室の外で待ちつづけている。変わり果てた姿を、そのまま両親に見せるにはショックが大きすぎる。告知しなければならない役目を負ったその警察官は、まず、傷だらけの赤いランドセルを、両親に手渡す...。病院の人がその間に被害者の衣服をかえ精一杯姿を整えて、やがて対面する。両親の悲痛な叫び。
事故原因は、ドライバーが運転中に携帯電話を使用していたことによる前方不注意。「彼が、携帯電話さえ使っていなければ...。」加害者は、それ以来毎日、事故現場に赴き、花を供え続ける...。
講習で流すビデオが、こんなにきっちりしたつくりのドラマになっているとはおもわなかった。びっくり。涙腺の弱い人だったらとっくに泣いてる。特にコドモを持つ親には、ほとんど攻撃的なほどだった。普通、こういうビデオは、エピソードのあいまに法律の説明とかが割り込みで入って、現実に戻るものなのだが、割り込みなしでドラマなまま進行するところに「講習ビデオ」らしからぬ演出を感じた。わたしは途中で意識をそらして耐えたけど...。
ちなみにビデオは交通安全協会などで借りることができるようだが、兵庫県の情報が得られなかったので、他府県のものへリンク→http://www.yamaguchi-anzen.com/html/info/02-3.htm