パソコンリサイクルの落とし穴

我が家には、21インチのCRT(パソコン用ディスプレイ)がある。あまりにかさ高いし、古くなってきたので、液晶ディスプレイに買い換えることにした。
さて、この21インチディスプレイを、「パソコンリサイクル」に出さねばならない。ということで、3月中旬にメーカーのWebに書いてあった受付窓口に電話をした。(他社はWebから申し込みできたのになぁ)

1. 何が必要か先に書いといてくれ
メーカー窓口に電話すると、おねえさんが色々質問をしてくる。
「型番は」「シリアルナンバーは」いちいち現物を確認に行くのは効率が悪い。Webに、「○○の情報をお手元にご準備下さい」とでも書いといてくれればいいのに。とどめは、
「ところで重さは30キログラム未満でしょうか」
...重さ?そんなん聞かれてもわからん...。「30キログラム以上でしたら手続きが変わりますのでまたお電話下さい」
で、あとではかったら36キログラムあった。のでその旨電話をし直した。

2. ここまで「なしのつぶて」も珍しい
30キログラム以上だったので、再度メーカー窓口に電話をしたところ、「担当者から直接電話でご連絡いたします」といわれ、携帯の番号を教えた。
数日待ったが連絡がない。
再度電話を入れた。「申し訳ございません。明日までに担当者からご連絡致します」
翌日。電話がない。催促。「明日までに必ず担当者がお電話いたします」
それでも電話がない。

(上の2行を3回繰り返す)

(最初の電話から2週間経過)

...ぷちっ...
「一体どうなってるんですか?」
どうも電話窓口は外注のコールセンターらしい。30キログラム以上は「例外扱い」としてコールセンターからメーカー本体に連絡して、メーカーの人間から連絡がくることになっているようだ。その流れのどこかで止まっているのだ。それにしても、「ご連絡するまでにしばらく日数がかかりますのでお待ち下さい」とか言われて待たされるならともかく、「明日までに」と言われて待ってるのに一向に電話がかかってこないのを何回も繰り返すのはどういうこと?!

3. 有限責任中間法人パソコン3R推進センター
あまりにひどいので、「有限責任中間法人 パソコン3R推進センター」というところに、メールで問い合わせをした。
この法人は、「回収するメーカーがないパソコンの回収」(メーカー倒産時等)をしてくれるほかに、こんなこともやっている。
製造等業者が自主回収や再資源化を行わないときはどうなるのですか。 A  自主回収及び再資源化の取組を促進する必要があると認めるときは、製造等事業者に対し、判断基準省令を勘案して、指導及び助言することができます。  また、製造等事業者による自主回収及び再資源化の取組が、判断基準省令に照らして著しく不十分であると認めるときは、主務大臣は、その判断の根拠を示し勧告をすることができ、製造等事業者が、勧告に従わない場合はその旨を公表することができます。  さらに、公表後も、製造等事業者が正当な理由がなく勧告に従わない場合であって、パソコンの自主回収及び再資源化を著しく害すると認めるときは、主務大臣は、産業構造審議会及び中央環境審議会の意見を聴いて、製造等事業者に勧告にかかる措置を講ずるよう命令を行うことができます。命令に違反した場合、50万円以下の罰金に処せられます。 なお、勧告等の対象となるのは、事業年度におけるパソコンの生産台数又は自ら輸入したパソコンの販売台数が1万台以上である製造等事業者です。
問い合わせメールを送ったところ、翌日、「メーカーに連絡しました」との返事をいただく。

4. やっと...
推進センター効果か。朝またメーカー窓口に電話をしたところ今度は「午前中に必ず連絡を入れます」と言われ、また午前を待ちぼうけで過ごしたのだが、昼過ぎに、やっとメーカーの担当者から電話がかかってきた。
「午前中打ち合わせに出ておりまして、先ほど連絡を受けました。」「1週間ほど海外出張に出ておりまして、連絡が行き違っておりました。失礼しました。」とのこと。担当は一人しかいなくてしかも「案件が宙に浮いたままである」事実を誰もとらえることができなかったというのか?!
結局、週末に運送業者が引き取りに来ることになった。
30キロを超えるとゆうパックや宅配業者が使えず、いわゆるチャーター便になるのでかなりのコストがかかるらしい。が、これまでの経緯もあるのでそのへんのコストは払わされずにすみそうである。

5. 何故こんなことになったのか
30キロを超えるようなディスプレイは、ふつう家庭にはないのだろうなぁ。テレビなら家電だから販売店が引き取ることになり、普段配送に使っているトラックを使って簡単に引き取ることができる。家庭用パソコンはメーカー引き取りで、ふつうはゆうパック(エコゆうパック)を使うのだが、30キロを超えるものはゆうパックで扱えない。あまり発生しない例外にはまったようだ。
しかし、それにしてもメーカーの連絡怠慢はひどすぎる。いくら「今は無きD社」の製品だとはいえ、継承会社のそのまた継承会社の環境推進部署、しっかりせい!!