ゆっくりさん

コドモのひとりは「ゆっくりさん」。じゅうぶん健常の範囲ではあるけれど、先生の手を焼かせる程度にはゆっくり。別のことを考えていたり、ふと目についたものにくぎづけになってしまったり、いったん始めた作業はなかなか止められなかったり、次にやることがわかっていながら何もしていなかったり。
ああ、これは、わたしだ。わたしの小さい頃とそっくりだ。
「 い ま や ろ う と お も っ た の に 〜 〜 ! 」と怒って泣いていたわたしと、そっくりだ。
1時間前の自分と今の自分と1時間後の自分の意識が連続していないから、1時間前のことを注意されても「その時(1時間前)の私に言ってよ」と思っちゃうし、今「よ〜し!」と決心しても、1時間後にはまた同じ失敗を繰り返してしまう。
生き写しのようにそのままだ。
ちなみに今、わたしはある意味退行していってるみたいなので、わたしの「今」ともそっくりだ。


それならば。わたしは、まず彼を受容するところからはじめよう。ついでにコドモの頃のわたしのことも受容してあげることにしよう。
なるべく彼の自己像を縮小させることなく、かつ、生活に適応できるように、ツボを教えて、自信をつけさせてあげたい。
自分をちっさくちっさく追い込んで「どうせだめなんだ」と暗い顔をしているところに、絶対に、追い討ちをかけることはすまい。