記憶が匂うとき

夜、コンビニへ行った。買い物を済ませて外に出ると、遠慮がちなジベタリアンの男の子がふたり、ぽつぽつと言葉を交わしている。若葉の匂い。心地よい夜風。星空。


…そういえば、こんなこと、あったなぁ…。


別にロマンティックな夜ではなく。
ちょっと冷たい夜風にあたりながら、友達と隣同士で腰かけて、空を見上げつつ、ぽつりぽつりと、話をしていた。相手の素直な気持ちを聞きたいなぁ〜とおもいつつ、わたしも素直に言葉をつなげていった。若葉の匂いがむせかえるようだった。そんな記憶。
不思議だなぁ。頭で考えるより先に、感覚がひきがねとなって、記憶が鮮明に蘇った瞬間。