足りないのは物資じゃなく...

新潟中越地震 あふれかえる救援物資 仕分け追い付かず」
...阪神淡路のときに、物資があふれかえってかえってひどいことになっていたことは、あまり知られていないのだろうか?

TVで「足りない、足りない」と被災者の一部の「物資があたらなかった人」が言うのを、真に受けて(物資が全体として足りないのだと勘違いして)送る人がいるのだろうなぁ。
足りないのは「物資」ではなく、「インプット(物資)を適正に配布するための人手とノウハウ」だから、さらにインプットを増やしては、混乱がひどくなるばかりなのに。

阪神淡路のとき、大阪の南の方のボーイスカウトの団長をやっていた職場の先輩が、相互協力ボランティアで、神戸グリーンスタジアムで「物資の受け入れと分配」をやっていた。しばらく休みを取ってボランティアを続けていて、ひさしぶりに出社したとき、その惨状を語ってくれた。
「おにぎり弁当とかの腐る物と毛布とかの腐らん物が一緒くたに搬入されてくる」
「せっかく分けても、配るためのトラックが全然足りないから、山積みにするばかり」
「保存食以外の食料はほとんど捨てる羽目になる」
「なのに毎日どんどん搬入される。あの物資の山を見ては毎日憂鬱になった」

それでも善意で送ってくれる人に「送るな」とは言えない立場だったのだ。